本日、子どもの読書活動を考える「熟議」の開会に当たり、一言、御挨拶申し上げます。

子どもの読書活動は、言葉を学び、創造力を豊かにするなど、人生をより深く生きていくための、いわば「生きる力」を身に付けていく上で欠くことのできないものです。全ての子どもがあらゆる機会と場所において読書活動を行うことができるよう、環境の整備が推進されなければなりません。

文部科学省としても、「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を踏まえ、学校図書館の充実や地域における活動拠点である公立図書館の機能強化、また読書活動に関わる民間団体への支援をとおし、子どもの読書環境の整備を支援しております。
まず、一昨年の「国民読書年」を契機に設置した、「国民の読書推進に関する協力者会議」の報告書には、読書の専門職として司書や司書教諭等を更に充実すること、図書館の機能強化、コミュニティの拠点として図書館や学校を位置づけることなどについて提言が行われています。
また、公立小中学校等の学校図書館図書の整備については、平成24年度から新たな「学校図書館図書整備5ヵ年計画」を開始することとし、学校図書館図書標準を達成するための蔵書整備に要する経費と、今回、新たに学校図書館へ新聞を配備するための経費について、5年間の地方財政措置が講じられる予定です。さらには、近年、各自治体で配置が進められている学校図書館担当職員の配置に要する経費についても、新たに、地方財政措置が講じられる予定です。

本日の熟議では、子どもの読書活動に関わるボランティア団体や学校図書館、公立図書館等の関係者が一堂に会し、子どもがもっと本を好きになるためのアイデアについて熟慮し、議論することで、互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、子どもの読書活動を支える仲間のネットワークが広がっていくことを期待しております。

今後とも、皆様の御協力を賜り、一人でも多くの子どもたちがすばらしい本と出会い、感動し、これからの人生が意義深いものとなるよう心から期待するとともに、皆様のますますの御活躍を祈念いたしまして私の挨拶といたします。